西神中央教室(小・中学部)
西神中央教室(小・中学部)からの新着情報・お知らせ
2022.2.7
ほんとうに、生徒に寄り添う指導を目指して
私が生徒たちに指導するなかで、ことに触れて思い出すようにしていることがあります。
それは、「オンライン授業」や「反転授業」など、新しいことに取り組んでいるときにこそ、さらに注意したいことです。もうすぐ新年度を迎えるにあたり、ここであらためて思い返したいと思います。
赤ちゃんの学ぶまなざしから気づかされたこと
私の娘が3か月を迎えるころでした、娘は自らの手をじっと見つめるようになりました。
かなりの長い時間でも、飽きずにじっと手を見つめています。
これは「ハンド・リガード」と呼ばれるもので、自分の目で見たり、口でなめたりした感覚と手の動きの関係性について、認識を深める行動とされています。
このとき娘は「自分には手というものがついていて、どうやら動かせるらしい」ということを発見したのです。
つまり、娘はそれまで「自分に手がついていることさえ知らなかった」ということになります。これは驚きでした。
正直に「そうか、赤ちゃんはそんなことも知らないのか」という驚きです。
そして、私はこのことを知ってから、娘に自分の手を見せるようにしてみました。
反応は大変おもしろいものでした。
はじめに手をグーにして見せてやりました。
娘は自分の手と同じように私の手をじっと見ています。
たぶん「すごい大きな手だなぁ」とでも思っているのかもしれません。
次に、グーにした手を開いたり閉じたりしてみました。
娘の目が大きく見開かれます。
たぶん「そんなこともできるんだぁ」とでも思ったのかもしれません。
さらに、グーにした手から、指をゆっくり一本一本立ててやりました。
すると娘は、私の指をつかんでなめました。
たぶん「こんなすごいことができるんだから、自分とは違う味がするんじゃないか」とでも思ったのかもしれません。
自分の当たり前と生徒の当たり前は違う。
このように、私は娘が「何を知らないか」を知ったことで、これまでとは違ったコミュニケーションをとることができました。
これは、小学生や中学生と接するときも同じことでしょう。
自分が赤ちゃんの時、何を知らなかったかをもう忘れてしまったように、小学生や中学生の時、何を知らなかったのかも、私たちはもうほとんど忘れてしまっているものです。
このことに十分気をつけて、日々指導を行いたいと思っています。
「自分が知っていて当たり前だと思っていることを、目の前の生徒は知らないかもしれない」
つねにそう思って、ほんとうに生徒に寄り添い、より深く学んでいただけるよう、スタッフ一同精進して参りたいと思います。